店舗×ECの“導線ほつれ”を直す3ステップ

予約・テイクアウト・EC・問い合わせで迷子を出さない。
「困りごと」を起点に、分岐 → 摩擦削減 → 計測の順でスッと解決します。

【要約】よくある困りごと → 全体の解決アプローチ

困りごと

  • 予約・注文・購入・応募の目的が1画面で伝わらない
  • フォームが長くて離脱、途中復帰もできない
  • 施策をやっても何が効いたか分からない

解決の全体像

  1. 目的別CTAの分岐:来店予約/テイクアウト/オンライン購入/応募に一発ジャンプ
  2. フォーム摩擦の削減:項目8以下・必須6以下、入力補助&途中復帰
  3. 計測の整備:イベント命名の統一&週次ダッシュボードで因果を掴む
【困りごと1】ユーザーが迷子でCVRが伸びない → 【解決】5つのクイック診断で“詰まり”を特定

まずは症状の切り分けです。以下の5点をスマホ基準でチェックすれば、どこで迷子が発生しているかが見えます。

  1. 3クリック到達:トップから3クリック以内に予約/注文/購入/応募の完了直前まで到達できるか
  2. 5秒テスト:FV(ファーストビュー)を5秒見て、第三者が主要目的を3つ以内で答えられるか
  3. CTA見える化:スクロール前に主要CTAが2〜3個見えているか
  4. フォーム摩擦:項目8以下・必須6以下、離脱ログの取得ができているか
  5. 計測一貫性:GA4イベント命名が横断統一、外部遷移でも切れないか

3つ以上NGなら、導線の「構造」から見直すサインです。

【困りごと2】入口が曖昧で“どこを押せばいいか”分からない → 【解決】目的別CTAの分岐設計

どう解く?:ファーストビューで“目的別3分岐”を明示

  • 来店予約|テイクアウト|オンライン購入(+必要に応じてお問い合わせ/採用
  • 文言は動詞+目的地:「来店を予約する」「テイクアウトを注文」「オンラインで購入」
  • 上部固定のミニCTAバーで、どこからでも復路ジャンプ

専用レーンで“行き止まり”をなくす

  • 来店予約:店舗→日時→人数→確認→完了(最短4ステップ)
  • テイクアウト:店舗→商品→受取方法→決済→完了
  • EC:商品→カート→配送/決済→完了(不要な会員登録は後出し)
  • 採用:職種→仮エントリー→詳細入力(2段階)

“よくあるほつれ”の直し方

  • 抽象的な「サービス」ボタン → 動詞化CTA
  • 外部予約・ECでブランド断絶 → ロゴ/ヘッダー統一+戻る導線+計測タグ連携
  • 電話だけの導線 → 電話 or Webの二択、営業時間外はWeb優先に自動切替

ミニ事例:FVに3分岐CTAを追加→予約CVR +0.4pt/問い合わせ比率 -35%(予約へ誘導)。

【困りごと3】フォームが長くて“途中でやめる” → 【解決】摩擦を削って完了率を上げる

どう解く?:まず“削る”、次に“助ける”

  • 項目8以下・必須6以下:住所・生年月・詳細履歴など初回に不要な情報は後で取得
  • 自然順の並び:名前→連絡先→希望→補足。迷ったら「人が頭に浮かべる順」
  • 入力補助:郵便番号→住所自動、日付/時間はピッカー、電話は数字キーパッド

途中離脱の“救済”を設計

  • ステップ表示(1/3→2/3→3/3)で先が見える
  • 入力保持&「前へ戻る」ボタンで復帰しやすく
  • 予約完了後:カレンダー登録リンク+前日メール/SMSリマインド

採用フォームは2段階が効く

  • まず仮エントリー(連絡先+希望職種)→自動返信で詳細フォーム
  • 面接は候補日ピッカーで調整を即決に
  • 同意事項は折りたたみ+要点3つで可読性アップ

削減の目安:項目12→7、入力3分→1.5分、完了率 +8〜15pt(当社支援レンジ)。

【困りごと4】施策の当たりが分からない → 【解決】イベント命名の統一と週次ダッシュボード

どう解く?:KPI最小セット+命名ルールの統一

  • KPI:来店予約CVR/テイクアウト完了率/EC購入CVR/応募→一次到達率/フォーム完了率/カゴ落ち率/No Show率/流入別CVR
  • 命名例:cta_click(label: 'reserve'|'takeout'|'ec'|'apply')/form_startform_submitreservation_completeapply_complete
  • 外部予約・ECでも同じ名前で発火するよう、タグ設計を共通化

Looker Studioで週次ダッシュボード化し、Now/Next/Laterを毎週更新。これで「何が効いたか」の会話が定例化します。

ミニ事例:フォームA/Bでform_submitを比較→短縮版がCVR +12pt、以降は短縮版を標準化。

【やりがち失敗】“お問い合わせ1本足/ブランド断絶/全部必須” → 【回避策】
  1. 何でもお問い合わせ:意欲の高い予約/購入/応募が迷子に → 最上流で目的別CTA分岐
  2. 外部で世界観断絶:戻れない&追跡が切れる → ロゴ/ヘッダー統一・戻る導線・タグ連携
  3. 全部必須フォーム:初回で情報を取り過ぎ → 2段階応募+後追い取得
【チェックリスト】今日の改善ポイントを3分で点検
  • スマホ1画面に「予約/テイクアウト/購入/応募」のCTAが見える
  • 主要導線は3クリック以内で完了直前へ
  • フォーム項目8以下/必須6以下、入力補助あり
  • 予約完了後にカレンダー登録・前日リマインド
  • GA4イベント名が横断統一、外部でも切れない
  • 週次でKPIダッシュボードを見て Now/Next/Later を更新
【Now / Next / Later】最小の手数で前進するロードマップ

Now(今週)

  • ヒーローに3分岐CTAを設置
  • 主要フォームから不要項目を3つ削除
  • GA4に cta_click / form_submit を追加

Next(来週〜)

  • 予約・EC・採用のステップ表示を追加
  • 予約前日リマインド(メール/SMS)導入
  • 週次定例でダッシュボード確認

Later(今月中)

  • 外部予約/ECのブランド統一+計測連携
  • 2段階応募へ移行
  • カゴ落ち・フォーム離脱の復帰施策(リマーケ/再通知)
【まとめ】“導線の構造→入力の摩擦→因果の可視化”で勝ち筋を固定化

大規模リニューアルより小さな連続改善が効きます。
まずは分岐を整え、摩擦を削り、計測で因果を掴む。これを週次で回せば、CVRは安定的に伸びます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA